海水から効率よく塩をとるためには?
海水に含まれる塩は、3%ほどしかありません。そのまま煮つめて水分を蒸発させると、1ℓの海水から30gほどの塩しかとれず、燃料や労力が掛かりすぎてしまいます。そこで、海水から効率よく塩を取り出すために、塩の濃度を濃くした塩水「かん水」をつくり、それを煮つめる方法が考えられました。
新着情報
私ども全国塩業懇話会は、日本塩工業会、塩元売協同組合、塩輸送協会、全国輸入塩協会、日本特殊製法塩協会の、それぞれ日本の塩に関わる全国団体が連携した団体です。
塩は生命維持に不可欠な物質で、それ故に塩資源に恵まれない日本では長きにわたり国の監督下におかれ、幸いなことにその価値と重要性があまり認識されない状況が続きました。
規制緩和により、現在では国の関与は大幅に少なくなり、ほぼ一般の物品と同じ扱いと
なりましたが、当然ながら塩の本質は変化したわけではありません。
我々塩に従事する者は、その本質を常に意識し、安全な商品を安定的に供給する事を継続するため、より高みを目指して結集致しました。
塩業界の健全な発展が、国民生活の安定に資すると信じて邁進してまいりますので、
今後ともご支援のほどお願い申し上げます。
全国塩業懇話会会長 山本 博
本会は、塩関係事業者 が果たすべき社会的責務(顧客優先、環境保全、安定供給)を再認識し、主体性を持って、変革を恐れず、公正な競争の下で、塩をめぐる新しい価値体系の構築を通して塩業界の健全な発展を目指し、以て、国民生活の安定に資することを目的として設立しました。
日本で塩が作られるようになったのは、今から3000年ほど前、縄文時代の終わりから弥生時代にかけてのこと。食生活の変化がきっかけになったと考えられています。
人間が塩を食べるようになったきっかけは、農耕の始まりだったと言われています。稲作や畑作が始まるまで、人々は主に狩猟採集で生活していました。つまり、肉食動物と同じように、動物や魚介類を食べることで、十分な量の塩を体に取り組むことができていたのです。しかし、農耕が始まり、主食が植物である米やヒエ、アワなどになると、塩が足りなくなってきました。こうして人々は、普段の食事に加えて、海水から塩を取るようになったのです。
海水に含まれる塩は、3%ほどしかありません。そのまま煮つめて水分を蒸発させると、1ℓの海水から30gほどの塩しかとれず、燃料や労力が掛かりすぎてしまいます。そこで、海水から効率よく塩を取り出すために、塩の濃度を濃くした塩水「かん水」をつくり、それを煮つめる方法が考えられました。
奈良時代から平安時代にかけて、砂を利用して「かん水」をつくる塩田「塩浜」がつくられるようになりました。「揚浜」と「入浜」という2種類の形に発達、昭和30年代まで、主な塩づくりの方法として続けられていました。
縄文時代の終わりころ、海水のついた海藻を燃やし、灰をそのまま使う「灰塩」だと言われています。その後、飛鳥時代になると、「藻塩焼き」が現れました。これは、灰塩に海水を加えたり、干した海藻に海水をかけたりしてつくった「かん水(濃い塩水)」を煮つめて塩をつくる方法です。
干潮と満潮の差が小さく、平らな海岸が少ない日本海沿岸や、波の荒い太平洋岸に多く見られた方法です。海水を人の力で塩浜まで運び上げるため、大変な労力を必要としました。
満潮の時に入ってくる海水を自動的に塩浜に引き込む方法で、平らな海岸のある場所に多く作られました。江戸時代中ごろに瀬戸内を中心に大規模な入浜がつくられ、昭和30年代まで約400年にわたって、日本の塩づくりの中心となりました。瀬戸内地方は、新たな塩づくりの方法で、今も塩づくりの中心として、その伝統を引き継いでいます。
参考文献:株式会社素朴社 「塩のちから〜なぜ塩がないと人は生きられないか〜」
私たちは、岩塩や天日塩といった塩資源のない日本において、多くのエネルギーを消費して塩を作っています。昨今の地球温暖化といった環境問題が叫ばれる中、カーボンニュートラルの達成は重大な課題です。生命に不可欠で安全・安心な塩を安定的に供給しつつ、この課題を達成するには製造設備の日常的な維持管理と共に、カーボンフリー燃料などへの転換とそれに伴う設備更新が必要になります。私たちは、省エネ設備の導入、CO2の利用などの削減努力を継続すると共に、中期的な収益力向上に取り組み、政府が推進しているグリーン成長戦略などの成果を取り込むことによって、2050年カーボンニュートラルの達成に向け、全力で取り組みます。
イオン膜法でかん水をつくり、立釜(真空式蒸発缶)で煮つめる方法で、国産塩の多くを占めています。
輸入天日塩や日本の海水を原料として、多様化する食文化と消費者のニーズにお応えしています。
・エネルギー資源コストの急騰、物流経費や人件費等の増加
・環境対応、BCP対応等、事業継続のための社会的コストの増加
塩を製造しユーザーに配送するまでの過程で排出されるCO2について、今後の革新的技術の開発・実用化を前提に、業界として2050年までに“排出量実質ゼロ*”を目指す。*政府が推進しているグリーン成長戦略等の成果の取り組みが不可欠です。
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